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2018年3月2日
食いしばりには、日中無意識のうちに行っているものと、就寝時に行っているものがあります。
歯軋り(はぎしり)主に就寝時におこなっているものです。
通常、おもいきり奥歯で噛んだとしても男性で60kg、女性で40kg位が平均とされています。(意識しての行動なので、リミッター(制御)がかかった状態です)
ですが、食いしばりと歯軋りでは無意識の行動なので、リミッター(制御)がかからず、1.5倍から2倍近くもの噛む力が何時間も歯と歯周組織(歯肉、骨)にかかってしまうのです。
実は、24に時間のうち歯が噛み合う平均時間は30~45分(主に食事)程度で15kg~25kg位の噛む力しかかかっていないのです。
歯軋りで歯がすり減り、かみ合わせを狂わせてしまうこともあります。
【どんな影響がおこるか??】
①しみる(知覚過敏):歯の付け根(歯頚部)に力が集中してエナメル質が欠けてしまう。また歯は欠けないが小さな亀裂(マイクロクラック)がはいる為。
(亀裂が神経まで及ぶ方もいます。ズキズキ(自発痛)と痛みがでたり、噛めない状態になる場合もあります。)
②歯肉から出血する:噛む力は歯の付け根部分だけでなく、周りの歯肉にも力が加わり炎症を起こす為。
③歯が揺れてくる:重症化すると歯を支える骨をとかしてしまう為。
④詰め物やかぶせ物のが取れる・欠ける:歯や詰め物・かぶせ物がすり減り、かみ合わせが変化して干渉を起こしてしまう為。
⑤歯の破折、根が折れる(歯根破折):神経の治療をしている歯などは虫歯になっていても症状が出ず、弱くなっているところに過度な力が加わったり、すり減りが重症化して著しく噛み合わせの変化が
おこる為。
⑥顎関節症:長時間の噛む力が顎の関節を圧迫する為。(他の体の関節と等しく、使いすぎて痛めた状態と同じ状態になります。
⑦口内炎ができやすい
⑧舌はヒリヒリする
以上が主な症状です。
【どんな治療方法があるのでしょうか??】
日中の食いしばりの対応として
(自己暗示法)
①まず、なんでもよいのですが、目印を決めます。
例えば:ご自身の身に着けているもの(指輪や時計など)や、日中一番長くいるところの物(時計や小物など)
②作業を行っているときに目線の片隅にご自身が決めた目印が入ったときに、食いしばっているか確認をします。
注意;無意識の行動なので、意識して噛まなくしていたというのでは全く意味はありませんので注意してください
③もし食いしばっていたらパッと歯をはなしてください。
④①~③を繰り返し行ってください。
通常脳は集中するときに食いしばるという指令が出ている方がほとんどです。ですが、この方法を繰り返し行うことで脳が集中しているときに食いしばってはいけないという指令に代わります。
この方法は非常に改善がみられ、まったく料金のかからない方法です。このブログをご覧になった方はぜひ周りの方にも教えてあげてください。
(ちなみに私自身仕事中の食いしばりで全く虫歯になっていない健全な歯の根が割れてしまい(歯根破折)、抜歯した苦い経験があります。)
(就寝時の食いしばり、歯軋り)
①就寝時に使用するマウスピースの制作(ナイトガード)
就寝時には自己暗示法はできません。その為マウスピース(ナイトガード)を製作し、歯の負担を軽減させます。通常2回の治療回数です。初回は歯型の型どり。2回目に調整とお渡しです。
保険適用ですので、3割負担の方ですとおおよそ5000円位の料金です。
【ご自身でのチェック方法】
①頬の内側で奥のほうにザラザラしたものがある。
②舌をの側面に凹みがある。
③上の糸切り歯の先がすり減っている(平らになっている)。
この3つが当てはまる場合、食いしばりか歯軋りを必ずしています。
※マウスピースが必要かどうかの判別として自己暗示法を試してください。もし日中の食いしばりを行っていない場合でも上記の①~③のどれかが当てはまる場合はマウスピース制作が必要となる
可能性がありので、是非かかりつけの歯科医院で相談されてみてはいかがでしょうか。